MacBookのバッテリー、減るの早くなっていませんか?今回は使用するアプリケーションによるグラフィックの切り替えについて、簡単な調査を行いましたので公開致します。
注意:本検証はAC電源を接続した状態でのデータとなります。(公開してから気付きました・・・アホや・・・
バッテリー駆動中にAC電源にてディスクリート型GPUに切り替わったアプリに付いて再検証しました。
その結果、iPhoneシミュレータは常時ディスクリート型GPUを使用することが判明したため、バッテリー使用時には必要最低限の起動がバッテリー節約につながる可能性があります。
自分に取って大事なことだったのでつい大きな字+赤字にw
さて、検証した背景と結果を示します。
目次
【背景】
現在販売されているMacのほとんどは、Intel Core iシリーズに内蔵されているIntelHDグラフィックスとディスクリート(CPUとは別の独立した)GPUに分かれており、負荷に応じて自動的に切り替わる仕組みになっています。使用時の消費電力は後者の方が高く、バッテリーでの駆動時間へ影響を与えていることが知られています。
消費電力の具体的な数値として、例えばMacBook Pro Retina 15 inch (Mid 2012)廉価版モデルに搭載されているCorei7-3610QMのTDPは45W、GT 650MのTDPも45Wということで、ディスクリートGPUを使用した場合、90Wになります。(合ってます?)
よって、バッテリーを長く持たせるにはIntelHDグラフィックスをメインに使用することがバッテリーの節約につながると思われるが、アプリケーションのなかにはディスクリート型のGPUが必須なものもあるため、どのアプリがGPUの切り替えを必須とするか検証を行うこととした。
【gfxCardStatus】(MacOSX用アプリ。無料)
現在使用しているGPUがどちらか、どちらにするか切り替えが可能なソフトウェアgfxCardStatusにて下記のアプリに対し、使用GPUの調査を行いました。
※gfxCardStatusはグラフィックが切り替わるごとにローカル通知にてどちらのGPUを使用しているかを教えてくれる機能も有りますので、この機能を使い検証を行いました。
IntelHD4000に切り替え時 | GeForce GT 650Mへ切り替え時 |
【目的】
起動時にIntelHDグラフィックスからディスクリート型GPUに切り替わるアプリケーションを検証する。
【方法】
gfxCardStatusを起動した状態でアプリを起動し、使用GPUを調査する。
【結果】
下記に記す。●はディスクリート型に切り替わったアプリを示す。
アプリ名 | AC 使用時 |
バッテリー 駆動時 |
アプリ名 | AC 使用時 |
バッテリー 駆動時 |
1Password | Image Capture | ||||
Adobe | JustSystems | ||||
Acrobat X Pro | Launchpad | ||||
Acrobat XI Pro | LiVE for WebLiFE | ||||
After Effects CS6 | ● | ● | Line | ||
Application Manager | △※1 | △※1 | |||
Bridge CS6 | ● | ● | MainStage | ● | ● |
Creative Cloud Connection | Messages | ||||
Dreamweaver CS6 | ● | ● | Microsoft Office 2008 | ||
Extension Manager CS6 | ● | ● | Microsoft Silverlight | ||
Fireworks CS6 | ● | ● | Minutes | ||
Illustrator CS6 | ● | ● | Mission Control | ||
InDesign CS6 | ● | ● | Nike+ Connect | ||
Media Encoder CS6 | ● | ● | Notes | ||
Muse | OmniFocus | △ | |||
Photoshop CS6 | ● | ● | OmniFocus.localized | ||
Photoshop Lightroom 4 | OmniOutliner | △ | |||
Aperture | ● | ● | OnyX | ||
App Store | PaintCode | ||||
AppViz 2 | Parallels Desktop 7 | ||||
Automator | Photo Booth | ● | ● | ||
BiND for WebLiFE 4 | ● | ● | Preview | ||
BiND for WebLiFE 6 | ● | ● | QuickTime Player | ||
BookReaderLite | ● | ● | Reminders | ||
Cache Out X | Safari | ||||
Calculator | ScanSnap | ||||
Calendar | SetResX | ||||
Chess | ● | ● | Skitch | ● | ● |
Cocoa Browser Air | Skype | ||||
Contacts | Sophos Anti-Virus | ||||
CotEditor | Sophos Remove | ||||
DPS App Builder | SourceTree | ||||
DVD Player | Stickies | ||||
Dashboard | System Preferences | ||||
DataFileConverter | Templates for iBooks Author Free | ||||
Desktop Calendar Plus | TextEdit | ||||
Dictionary | The Unarchiver | ||||
Disk Inventory X | Time Machine | ||||
Dropbox | Tower | ||||
Echofon Lite | XCodeTools | ||||
Evernote | Xcode | ||||
FaceTime | YoruFukurou | ||||
Firefox | backupList+ | ||||
Font Book | iPhone Simulator | ● | ● | ||
FreeMemory | gfxCardStatus | ||||
Game Center | iBooks Author | ||||
GarageBand | iMovie | ● | ● | ||
GoPro CineForm Studio | ● | ● | iTunes | ||
Google Chrome | iWork '09 | ●※2 | ●※2 | ||
Google SketchUp 8 | ● | ● | inSSIDer |
△:起動時に切り替わるが、起動後はIntelHDグラフィックに再度切り替わった。
※1:アプリケーションのインストール時もしくはアップデート適応時にディスクリート型GPUに切り替わることがあるかも。
※2:Keynoteのみ。
【考察】
MacBook Pro Retina 15 inch (Mid 2012)において、写真や動画を主に取り扱うアプリケーションはディスクリート型GPUへの切り替えを行っている傾向がある。よってこれらのアプリケーションの不必要な起動(起動しっぱなしなど)を控えることは、バッテリーの節約につながると考えられる。
しかしながら、上記に該当するアプリケーションは、MacBook Airなどのディスクリート型GPUを持たない機種での動作も確認されており、ディスクリート型GPUはアプリケーションの動作に必須ではないと考えられる。よって、ディスクリート型GPU搭載型のMacにのみ本検討が適応できると思われる。
ACアダプター接続中に検証を行ったため、本データは全く役に立たないことが判明した。
バッテリー駆動中にACでGPU切り替えが起こったアプリに対し、再度検証を行ったとろ、全てのアプリケーションにおいてGPU切り替えが起こっていたため、これらのアプリケーションは現在の電源状態に関係なくGPU切り替えを行っていると考えられる。
【結論】
gfxCardStatusをMacにインストールし、常時GPUの状態を把握し、不必要にディスクリート型GPUを使用しないことは、バッテリーの節約に有効な手段の一つである可能性があるため、バッテリー駆動時間をよりのばしたい人は、gfxCardStatusの導入を推奨する。
【備考】
実際にGPU切り替えによるバッテリー消費状況は調査していないが、Apple公式に省エネルギー設定項目にて「自動切り替えを無効にすると、(ry」のように消費電力が高くなる可能性を示唆している。
間違ってるとか、何かご指摘ございましたら遠慮せずに突っ込んでくださいね!