iPhoneをお持ちですか?お持ちであれば今すぐにiPhoneにメディカル ID(Medical ID)を設定しておきましょう。いざというときに、あなたの命を助けてくれるかもしれません。また、あなたの家族や友人にもこのことを教えてあげてください。このメディカル IDの情報をiPhoneに登録しておくことはとても大事なことです。お守りよりも効果があること間違いないです。また、医療従事者の中にもメディカル IDのことを知らない方が多いと思いますので、どんどん広めてあげてください。
目次
メディカル IDとは
Medical IDとはiPhoneのヘルスケア機能の一つであり、あらかじめ登録しておいた情報、たとえば自分自身の血液型、既往歴、アレルギー歴、現在内服している薬剤、かかりつけの病院や薬局、緊急連絡先などをiPhoneがロックされている状態からでも閲覧できる機能です。これはあなたが意識不明となった緊急時に非常に役に立つ情報源です。ロック画面の『緊急(emergency)』→『メディカル ID』を選択することで緊急時に医療従事者などの第3者による閲覧を可能とする機能があります。(Medical ID設定画面でロック画面への表示を許可していれば。後述)
アレルギーで死ぬことがある
さて、『アレルギー』という言葉でどんな症状を思い浮かべますか?鼻水?涙目?花粉症?それらもアレルギーの一つですが、食物や薬物などにより、より重大な急性期の病態、アナフィラキシーショックの状態に陥ることがあります。アナフィラキシーショックとは、大まかに全身に重大なアレルギーが起こった状態と考えても良いと思います。アナフィラキシーにより普段は収縮している手や足、身体などの『末梢』と呼ばれる部位の血管が広がり、広がった分、血液がそちらに流れることで全身の血圧は下がります。血圧が下がった結果、脳への血流が十分確保できなくなった場合、意識を失い、最悪の場合は心停止し死に至ります。しかし、治療法もあります。抗アレルギー薬(ステロイド、抗ヒスタミン薬)の投与、血圧確保のため血管収縮剤の投与や、水分負荷(静脈への点滴)といった対処療法があります。
医療者との情報共有が大事
このような治療の実施が早ければ早いほど症状の悪化が抑えられるため、早期の治療が大事になってきます。もう一つ大事なことは、自身のアレルギー情報を医療従事者と共有することです。アナフィラキシーショックに陥ることの予測は通常出来ませんが、あらかじめアレルギーを起こした物質が判明していれば、その物質の摂取や投与を避けることが出来ますよね。また、お薬の中には急に服用を中止してしまうと悪性症候群(放置しておくと重篤な転機をたどることがある症状)を起こす可能性がある薬剤もあります。そこでお薬手帳への薬歴、アレルギー歴の記載がとても大事になっていますが、お薬手帳は普段持ち歩いていない方も中にはいらっしゃるでしょう。しかし携帯電話は持ち歩いていますよね?今この記事を読んでいるのも携帯電話経由かもしれません。iPhoneではiOS8の頃からメディカル IDを設定することでiPhoneがあなたに変わって緊急時の情報提示を行ってくれる機能が付きました。
メディカル IDを設定しよう
メディカル IDはヘルスケアアプリから設定することが出来ます。
- ヘルスケアアプリを起動
- メディカル IDを作成をタップ
- ロック中に表示をオンに(デフォルトでオン)
- 必要事項を記入し、右上の完了ボタンを押下する
たったこれだけです。上記の例は適当なデータを入れています。前述のロック画面からメディカルIDを確認する方法と合わせ、あなたの大切な人達にメディカル IDの登録を教えてあげてください。ほんの数分の一手間が、命を救うことに繋がるかも知れませんね。こういった備えは有った方が良いでしょう。備えあれば憂い無しとはいいますよね。
以前このような既往歴などを医療従事者と共有できるアプリの重要があると気づき、ロック画面に通知機能を用いて出そうと考えていました。しかし肝心な緊急時に通知が出ていない場合は全く役に立たないため、制作を断念していたことを思い出しました。今回、Appleが主導し、標準でこのような機能が付いたことはとても素晴らしいことだと思います。